シェフのグルメ通信-食材編
第1回 『フォア・グラ』
-はじめに-
ヤマライのホームページについてのアンケートを実施したところ、こだわりの食材についてや食材について詳しく知りたいという食材への関心が多く寄せられました。そこで、すぐに役立つ食材知識(これだけ知っていれば食通?)として分かりやすく説明します。第1回目は『ヤマライの3大珍味のフルコース』の中からフォアグラです。
第1回 『フォア・グラ』
世界三代珍味と言われるキャビア・フォアグラ・トリュフはフランス料理の世界でも超高級食材です。その中でもフォアグラは皆さんに1番馴染みのある言葉かもしれませんね。-入門編-
フランス語でフォアは肝臓、グラは脂肪の意味で特に肥えた状態のことを指します。つまり肥大した肝臓ということです。人間でいえば脂肪肝ということでしょうか?
【グルメトーク入門編】
彼女との食事中に「フォアグラって太った肝臓のことでしょう。今ならメタボ健診にひっかかるよねぇ。」などと時流のったようなことをいえば間違いなくドン引きされます。
そして「それってあんたと同じじゃないの」と心の中で思われるでしょう。あるいは図に乗って「君もフォアグラみたいにならないように気をつけたほうがいいよ。」などと言おうものならその後の人生の主導権はもはや自分にはなくなったと思ったほうが良いでしょう。くれぐれも調子に乗った発言は慎んでください。
-中級編-
通常フォアグラと言うとガチョウのフォアグラのことを指しますが、現在は鴨(アヒル)のフォアグラのうほうが多く出回っています。肝臓を肥大化させるためには狭いカゴの中に入れられ、餌のとうもろこしを無理やり食べさせるという強制肥育をします。鴨(アヒル)はガチョウに比べ根性がありこの強制肥育にも耐える体力があるのでフォアグラの品質にバラつきが出にくいとも言われています。だから今は鴨(アヒル)のフォアグラの方が圧倒的に多くなりました。
【こみみ(小耳)トーク】
強制肥育というと飼育は過酷過ぎるとして中止したほうが良いという意見もあります。確かにフォアグラをとるためだけに無理やり食べさせ続けられる鴨の気持ちを考えると心が痛みます。フォアグラを美味しくいただいたら鴨に感謝の気持ちをわすれずに。
-上級編-
皆さんは実際にフォアグラのかたまりを目にする機械はあまりないでしょうが料理人の間ではフォアグラの色合いのことを少しピンクがかかった方が良くて白っぽいのは良くないなどと言いますが、一概にそうとは言えません。飼料に赤いとうもろこしを使う地方のフォアグラはピンクがかった肌色をしていて焼くと黄色い脂がでます。一方白いとうもろこしを与える地方は白っぽく焼いた脂も白色から透明に近い感じになります。つやよく健康的に見えるのでそう思われるのでしょうか。また、鴨(アヒル)のフォアグラの方がガチョウのフォアグラに比べベージュ色が強いとも言われています。
【グルメトーク上級編】
レストランでフォアグラのステーキにナイフを入れた時、中がピンク色が強い時は「ふむ、これは赤いとうもろこしを沢山食べた鴨のフォアグラかもしれない。いや、食べた時のしっかりした舌触りはガチョウのフォアグラのようである。」とどちらでもとれる発言をしてください。決してどちらかに断定しないように。後で後悔するかも?